
だから、あの」
「お前がそんなヤツだとは思わなかった………」
「………はぁ。もう良いです。分かりました。早い話が、炊事洗濯は二人で交代交代にしたいというわけなんですね」
「そうだ」
「………分かりました。それで結構です。はじめからそう言ってください………はぁ」
よし、押し切った!
いやぁ、出ないと一緒に住むメリットが俺には全くなかったからな。
ほんと何のメリットもないままで俺がこんなヤツと脳内の共生者のダブル小言に付き合っていかなくちゃいけないと思うと それだけで気が滅入りそうだ。
「小言を言わせるような行動、しなかったらいいのよ」
脳内から声が。
「もう、うるさいなぁ」
「うるさいじゃなくて、あなたがちゃんとした行動をとっていればこんな小言などをいう必要はないんです」
「分かってるって」
「本当に分かってるんですか?」
「あぁ、バッチリ」
「………はぁ」
ぐあぁぁ!
もう、いい加減この展開にも飽きてきため息は止めてほしい………。
「サトミさん………でしたっけ?その人と話してるのですか?」
「ん?そうそう。さっきからうるさくてうるさくて………ぐあぁぁ!」
「一つ聞いても良いですか?」
「うん、構わないよ」
ちょっとだけ間をおいて。
「どうして、脳に埋められたんですか、チップを?」
どうして………か。
「ホントにつまらないいたずらだったんだけど、ちょっと洒落にならないことになっちゃって」
俺は苦笑いしながら話を始めた。