インバウンドでタイ人を集客! 事例多数で万全の用意 [PR]
ナムジャイブログ

冬は力のない魅力的な庭園

息は香水で、人々は幻覚を起こします

本体を想定する

本体を想定する
おいたので、いずれはアメリカ考古学会の手で出版される予定である。ただひとつ、ぼくが不審に思い、他人の目が触れるのを怖れた品があった位元堂 洗頭水。それは厳重に封印した一個の箱で、その鍵が見当たらなかった。だが、ふとした思いつきで、老教授がいつもポケットに入れて持ち歩いていた私物用の鍵束のうちから発見した。しかし、開けるのに成功したとはいうものの、いっそう厳重な障壁に行きあたったようなもので、箱のなかに見出したのは、粘土造りの奇妙な薄肉浮彫りのほか、とりとめのない文句をつらねた走り書きか、新聞記事の切り抜きのたぐいだった。こんながらくたに、どんな意味があるのだろうか。ぼくの大伯父も、晩年は高齢がわざわいして、子供だましの迷信にとり憑かれていたのだろうか。以上のような経過で、ぼくは善良な老人の心の平和を乱した異様な粘土板の作者を捜し出して、文句をいってやろうと肚《はら》をきめた。
 その薄肉浮彫りは、厚さ一インチ弱、縦五インチに横六インチほどの大きさで、ほぼ長方形をしていたが、明らかに現代人の手になったものであった。それでいて、意匠のもたらす雰囲気が、あまりにも現代と隔絶していた。ぼくがいうまでもなく、キュービズムや未来派の現代絵画は、気紛れとも思われる奔放な構図を示しているが、有史以前の文字にひそむ謎めいた均整さまでを再現しようとは試みない。これらの意匠の大部分は、あきらかに古代文字の一種だった。それでいて、大伯父の収集した古代文字の記録に永年慣れ親しんだはずのぼくが、これと同種の、あるいは類縁関係にあるものを思い出すことができなかった。
 象形文字らしい線の羅列のほかに、明らかに画像と思われるものがあるのだが、印象主義的手法が強烈すぎて、何を写し出すつもりであったのか、そののさえ不可能だった。おそらく、ある種の怪物、でなければ、そのシンボルなのであろうが、いずれにせよ、よほど病的な空想力の持主でないことには、思いつけるものでない醜怪な形状なのだ。ぼくもぼくなりに、想像力を最大に駆使してみて、その結果、章魚《たこ》と竜《ドラゴン》と人間のカリカチュアを一緒くたに表現するのが作者の意図だと感じとった。どうやらこの見方がこの物の本質を衝いているように、ぼく自身には考えられたのだ。鱗《うろこ》に覆われたグロテスクな胴体の上に、触手を具《そな》えたぶよぶよの顔が載っている。しかも胴体には退化した翼の痕跡が残っている奇怪な姿だが、何よりもショッキングな恐怖感を与えているのは、その全体の輪郭[#「全体の輪郭」に傍点]の凶悪さだった。そしてその背景には、太古の一眼巨人族の国の壮大な建築群らしいものがおぼろげに描いてあった。
 この異様な品と一緒に箱に収めてあったのは、新聞記事の切り抜きを別にすれば、エインジェル教授のごく最近の筆と思われる草稿ばかりで、そのどれもが、文体を整えるのももどかしげに、性急な筆致で書きつづってあった。そのうち、中心と見られるのは分厚いノートで安利傳銷、表紙には『クトゥルフ教のこと[#「クトゥルフ教のこと」太字]』と、聞き慣れぬその名辞の誤読を避けるためか、きちんとした活字体で記してあった。内容は二部に

上の画像に書かれている文字を入力して下さい
 
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。
Information

タイのブログサイト「ナムジャイブログ」でブログを作る! タイのブログサイト「ナムジャイブログ」にログインする!

初めてのタイへの旅の不安を解決
海外進出を手厚くサポートします
< 2024年05月 >
S M T W T F S
      1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31  
最近のコメント
QRコード
QRCODE
アクセスカウンタ
読者登録
メールアドレスを入力して登録する事で、このブログの新着エントリーをメールでお届けいたします。解除は→こちら
現在の読者数 0人
プロフィール
astridnichole
astridnichole